『ゾーン』の誤読・限界・実務との差 V

この本は、遠回りした人のために書かれている
Red John 2026.08.09
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前回のおさらい

この本は、心理が実行だけでなく選択にも、さらには発見にまで及ぶと述べていた。ただしそれは「あるかないか」ではなく段階的なもので、パターン識別の習得は誰にでも開かれている一方、恐怖に妨げられない知覚と新しいエッジの発見は、心理への依存が強い。

そして前回の最後に、一つの疑問を残した。心理が選択と発見を左右するなら、手法を先に学ぶという順序は、本当に最適なのか。

今回はここを扱う。

この本は、誰に向けて書かれたか

ダグラスは、想定読者をはっきり書いている。

"I assume that most of the people reading this book are already well schooled in technical analysis."

この本を読む人の大半は、すでにテクニカル分析をよく学んでいると仮定する。

マーク・ダグラス『Trading in the Zone』第11章

つまりこの本が念頭に置いているのは、先に手法を学び、それを使ってきて、それでもうまくいかず、行き詰まった人である。

これは現実に即した想定だ。ほとんどのトレーダーは、この道をたどる。まずチャートの読み方を覚え、インジケーターを試し、手法を探し、そして「知識は増えたのに結果が出ない」という壁にぶつかる。その段階で、はじめて心理の本を手に取る。

『ゾーン』は、その人たちを救うために書かれている。

ところが、中身は逆を指している

しかしこの本を通読すると、奇妙なことに気づく。

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