損切りできない!予測思考の罠
「損切りは早く!」「事前に決めたところで切れ!」って、まーそりゃそうなんですが、価値観、考え方そのものが、《切るのが難しいもの》なら、それは自分にとって好ましいものではないという選択肢になります。
たとえば、「速く走ることがかっこいいんだ」「スピード感が好きだ」って思っている人に、制限速度を守りましょうなんて言ったところで、それは我慢の連続。とっても苦痛だし、息苦しい気持ちもわかります。(善悪の話ではなく)
そして、そういう人が仮に、「制限速度を無理なく自然に守るようになりたい」って望むなら、《守ってることが正義》の考え方にならなければ無理なんです。これは、スピードを守ることが、自分の中の優先順位の上位にくるような考え方を取り入れる必要があるってこと。
損切りもそう。先延ばしすることを正しいとする価値観が心のどこかにあって、それに引っ張られるから損切りができない。だから、うわべだけで「損切りしよう!」って言ったところで意味がないんです。
じゃあ、「私たちのどんな考え方が損切りの邪魔をしているのか?」…そして、「どんな考え方にどうやってしていけばいいのか?」…これらへの理解がものすごく大事。
トレードで最も難しいと言われる「損切り」。でも、なぜこんなにも難しく感じるのか。実は、その根本的な原因の1つは、私たちの「予測思考」にあります。
予測思考という罠
「ここで切ったら、すぐに戻るかもしれない...」
「もう少し我慢すれば、反転するはず...」
こんな考えが浮かんでくるのは、実は自然なこと。私たちの脳は、生存のために「未来を予測する」ように進化してきました。狩りをする時も、危険から身を守る時も、常に「次に何が起こるか」を予測することで生き延びてきたんです。
でも、この「予測したい」という本能が、トレードでは大きな足かせになってしまう。なぜなら、相場の動きは本質的に予測不可能だからです。
予測と損切りの関係
損切りポイントで迷うのは、そこで「これからどう動くか」を予測しようとしているから。でも、考えてみてください。そもそも、未来の値動きがわかるなら、損切りなんて必要ないはずですよね。
予測思考から解放されると、損切りはとてもシンプルな行為になります。