最高のトレードと最悪のトレードを分けていたのは、手法じゃなかった。

書籍「ゾーン」から学ぶトレーダー的思考法 第6話|第6章
Red John 2026.04.29
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1|心を鍛えることは、全員に立ち塞がる壁だ

第6章の解説に入っていく。まずはこの書籍でお馴染みの、典型的なトレーダーと最上級のトレーダーの比較から始まる。

今まで散々言った通り、典型的なトレーダー(要するに負け組トレーダーのこと)は、直近2〜3回の結果に引きずられる。連勝すれば強気になって大きく出る。連敗すれば怖くなってビビる。これが、最上級のトレーダーには起こらない。

でも、ここで勘違いしてほしくないことがある。

最上級のトレーダーがそうなれているのは、生まれつきの特性でも、才能でも、センスでもない。ダグラス氏が18年間、何百人ものトレーダーと向き合ってきた結論として言っているのは、これは「心を鍛える方法を習得すること」で誰でも取り組める問題だということだ。特別な人だけの話じゃない。全員に立ち塞がる壁であり、向き合い方の問題である。

6章前半での主軸はP158-8のところ。引用すると、

①恐怖心や過信なくトレードを執行する能力

②その観点から、マーケットが提供しているものを認知する能力

③「今この瞬間の機会の流れ」の中で完璧な集中力を維持する能力

④自然に「ゾーン」へと達する能力

この4段階だ。そして、ここまでの話のほとんどが①についてだった。恐怖心などの心の動きがどういう仕組みで起こっているかについての説明が、ものすごく長かったんだけど、やっとこの先の話がまともに出てきそうな感じ。

2|「不確実性」の原則と「心の準備」

P158の「不確定性」理論は、ほとんどが今までの話のまとめだけど、ここではじめて「心の準備」というワードが出てくる。

この流れを整理するとこうだ。最上級のトレーダーは「何事も起こり得る」という信念が非常に強い。だから、直近のトレード結果を「今この瞬間」に結びつけることがない。連勝していても、連敗していても、今目の前のトレードには関係ない。その信念があるから、非現実的な期待を持たずに済む。そして、マーケットが提供するものをただそのまま受け取れる状態になれる。ダグラス氏はこの状態のことを「心の準備ができている」と呼んでいる。

つまり「心の準備」は気合いでも覚悟でもない。「何事も起こり得る」という信念が本当に根付いた結果として、自然に生まれる状態のことだ。信念が先にあって、心の準備はその結果としてついてくる。この順番が重要で、逆はない。

典型的なトレーダーはこの「心の準備」ができていない状態だ。だから第5章の犬の話と同様に、認識できない機会があり見落としが起こる。反対方向の情報はほとんど見えず、自分の建玉方向の情報は過度に重視する。P160-3でも「今のトレードをやめるまで見えないのだ。」と言っている。

この話は、そこらじゅうに転がっているよくある話だ。トレードの後になってから、よく見たらああだった、こうだった、気づかなかった、なんて言っているトレーダーばかりだ。みんなここに気づいていないし、見ようともしない。気にするのは、自分以外の誰かの履歴や勝ってそうな人の手法ばかり。そんなことではうまくいくはずがない。

「答えは自分の中にある」というのはこういうことである。

3|ゾーンとはなんだ

ダグラス氏は、ゾーンのことを「本質的に自分の心とマーケットが同調している状態を意味する。」(P161-5)と表現している。鳥や魚の群れが同時に方向を変えられる例を出して、他の動物たちと同じように、相場への参加者と同調した状態としている。同調意識を持つためには、相場は他の参加者によって成り立っていると理解していなければならない。これはP166-8にある「マーケットが何であれ、その最も根本的な構成要素とは、そこにいるトレーダーである。」という一文からわかる。

鳥や魚の群れのようにトレードでも同時に方向が変えられるような同調をするためには、チャートの前で1人だったとしても、「マーケット参加者」という群れの中に、自分自身がいるということを理解していなければ、マーケットとの同調は不可能。これは今まで散々言われてきた、学んでいないものは認識できないのと同じ。認識できていない集合的意識との同調は不可能である。

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