なぜあなたは検証しても迷うのか
未来を信じる前に、未来の行動を経験させる
Red John
2025.12.19
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トレードにおける不確実性の受容は、気合いで腹を括る話じゃない。不確実性は消せない以上、人がやるべきことは二つに限られる。ひとつは、未来を「当てる対象」から「分布として扱う対象」に切り替えること。もうひとつは、その分布の中で一貫して同じ行動が出るように、意思決定を「仕組み」に落とすこと。ここができた時、ようやく「勝てる未来」を信じる必要がなくなる。信じるのは未来じゃなく、手順の再現性だから。
ただ、ここで多くの人が引っかかる。「手順の再現性を信じろ」と言われても、それ自体が信じられない。なぜなら、その人の脳内では依然としてトレードが「当て物」の枠組みで動いているからだ。分布ではなく点を見ている。点を見ている限り、手順は常に揺らぐ。勝った日は正しく見え、負けた日は間違いに見える。結果が評価軸を乗っ取る。これが、手法コレクターと根拠コレクターが生まれるメカニズム。
この罠を外す鍵が、「疑似経験」という概念になる。
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続きは、1724文字あります。
- 脳は「未来の体験」を予行演習できる
- 人は不確実性ではなく「不確定な自己」に耐えられない
- 手法より前に、意思決定を固定する
- 結果は勝敗ではなく「前提とポリシー」の更新材料になる
- 未来を信じない脳に対して「未来の行動」を先に経験させる
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