直感に騙されるトレーダー ─ 確率思考の本質
確率を直感で捉える危うさと、トレードに必要な「数字との向き合い方」を統計学的に解説。今まで私が、『ランダムな市場に、ランダムな自分で挑んではいけない。』と散々言い続けてきた理由を徹底解説。
Red John
2025.09.18
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「この条件なら勝率80%で勝てる!」──そんな期待でトレードに臨んだのに、現実は負け続き。なぜこんなことが起こるのか?答えはシンプルだ。“確率”を直感で読んでしまっているからだ。人間の直感は確率を正しく扱えない。この誤解を放置すると、数字は武器ではなく凶器になる。ここでは確率論の古典的エピソードを出発点に、トレードに応用すべき思考法を整理する。
ド・メレの賭け ─ 直感が外れる瞬間
17世紀フランスの貴族、シュヴァリエ・ド・メレは次の疑問を抱いた。
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サイコロを4回投げて、1回でも「6」が出れば勝ち。
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サイコロを2個24回投げて、1回でも両方「6」が出れば勝ち。
多くの人は「24回チャンスがある後者の方が有利」と直感する。しかし実際は前者の方が有利だ。