統計の光と影 ─ どこまで信じ、どこから疑うか
統計は光にも影にもなる。光として使えば、ブレ幅と最悪ケースを読み解き、サイズ設計・損切り・回数前提へと“壊れない構造”に変換できる。逆に影として扱えば、勝率や連勝を単発の未来保証にすり替え、過信や過適合を正当化して自滅する。
Red John
2025.08.20
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光と影の入り口
統計は、トレーダーにとって光にも影にもなる。光として扱えば、不確実性の輪郭を照らし、長期的に壊れない構造を設計する道具になる。しかし影として扱えば、「未来を保証してほしい」という願望を裏付ける材料となり、数字を自分に都合よく読み替える口実へと変わってしまう。誤用された統計は水晶玉のように“当たり”を期待する対象になり、かえってトレーダーを盲目にする危険を孕む。
前回の記事では「未来は当てられない。だからこそ統計を地図として使う」という基本的な考え方を整理した。今回はさらに一歩進み、統計の「光」と「影」を分ける境界線を具体例とともに明らかにしていく。