損切りの判断力を奪う“目に見えない敵”とは

損切りの瞬間、あなたの脳は正しく動いていない。怖さの正体は「自分の思考構造」にある。判断力を守るには、感情ではなく仕組みで備える。(2022/05/19に別媒体へ投稿した内容を見直しました)
Red John 2025.03.26
サポートメンバー限定

上手く稼げている人のトレードがそのまま参考にならない理由のひとつは、「勝ち方」ではなく「負け方」にこそトレードの本質が表れるからだ。

勝ち組トレーダーのトレードは、しばしばポンポンと勝っているように見える。見る側の多く、特に負けが続いているトレーダーほど、その裏にある損失の処理やメンタル管理の側面には目を向けず、ただ勝っている結果だけを追いかけてしまう。そして発信者側も、多くの場合“負け”についてはあまり触れない。とくにフォロワーを集めることが目的になっている場合は、意図的にマイナスの側面を隠し、印象の良い場面だけを切り取って見せていることが多い。

このような情報の偏りによって、見る側も自然と「勝ち方」ばかりに注目するようになり、本質的に学ぶべき「負け方」や「心理面」には意識が向かなくなる。心理面とは、たとえば負けを受け入れる姿勢、冷静さの保ち方、感情との向き合い方といった部分だ。これらは目に見えないが、トレーダーの意思決定に大きく影響する。

だが、本当に技術があるトレーダーには、負けた時にどう動いたか、どんな判断をしたか、そこで何を見ていたのかといった“見えにくい部分”にこそ真の技術が詰まっている。加えて、負けをどう記録し、どのように内省して、次のトレードに反映させているかといった継続的な思考プロセスこそ、成長に直結する学びの源になる。

なぜ人は、いざという時に損切りができなくなるのか?それは、感情や意志の問題ではなく、もっと根深い“脳の状態”にある。経済的ストレスが判断力を奪う“見えない敵”の正体と、それにどう備えるか──ここから先はサポートメンバー限定で、科学と実践の両面から解説します。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、1708文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

読者限定
「手法が見つからない」は、もう卒業しよう。
サポートメンバー限定
他人のトレードを“見るだけ”では上達しない
読者限定
勝てない人ほど“間違った情報”を信じている
サポートメンバー限定
「足が確定してから入れ」の本当の意味
サポートメンバー限定
「わかってるけどできない」から抜け出すには
サポートメンバー限定
過去検証で負け癖は強化される
読者限定
逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げち...
サポートメンバー限定
失敗から学ぶ方法を知らないと、人は失敗から学ばない