Day9 メンタルは「力」ではなく「世界観」である
トレードの世界では、メンタルと聞くと、多くの人が「強さ」「我慢」「感情を抑える力」といったイメージを持つ。しかし、これは根本的にズレている。メンタルとは、決して意志や精神力で捻じ伏せるものではない。
メンタルとは、「自分がどんな世界観で相場を捉えているか」によって、思考の土台として自然に形成されるもの。
あなたが相場をどのような枠組みで理解し、どのような不確実性を受け入れているか。その“世界観”が、そのまま感情の在り方やメンタルの安定度を決めている。
つまり、感情を抑え込もうとする以前に、その感情が生まれる“構造”そのものが、すでに世界観によって決まっている、ということだ。
「耐えるメンタル」という幻想
「メンタルが弱いから損切りができない」「怖くてエントリーが遅れる」──こうした悩みは、トレーダーなら誰でも経験する。
だが、多くの人は、トレード中に感情が暴れる原因を「自分のメンタルの弱さ」や「精神力の不足」だと短絡的に考えがちだ。しかし、それらは表面的な現象に過ぎない。
本当の原因は、もっと深い部分──相場に対する“世界観”そのもののズレにある。このズレこそが、トレード中の感情の暴走や行動の迷いを引き起こす構造だ。
そのため、無理にポジティブになろうとしたり、精神力で感情を抑え込もうとする発想自体が、そもそも間違いなのだ。
ズレた世界観のままでは、どれだけ精神力を振り絞っても、感情は暴れるようにできている。だから、感情を抑えるのではなく、その感情を生み出している“前提構造”──つまり、世界観自体を変える必要がある。
ここから先は、単なる「根性論」を超えて、メンタルの構造を本質から捉え直す人のために書きました。