「失敗を記録しよう」の落とし穴

その“失敗”、ほんとに失敗か?
Red John 2025.06.08
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トレードの改善には「記録が不可欠だ」とよく言われる。そして、多くの人がこうアドバイスされる。「失敗を記録しよう」「負けトレードを振り返ろう」と。この方針自体は間違っていない。ただ、ここに一つ、大きな落とし穴がある。

──「失敗の定義」が曖昧なまま、記録していないか?

多くの人が見落としているのは、「失敗とは何か?」という定義を、記録を始める前に明確にしておく必要があるということ。トレードは“確率的思考”で向き合わなければならない世界だ。100%うまくいく手法なんて存在しない。だから、「勝った=成功」「負けた=失敗」という単純な分け方は、そもそもズレている。

にもかかわらず、ほとんどの人が「負けトレード=失敗トレード」として記録してしまう。これは、構造として非常に危うい。なぜならその判断基準が、結果論になっているからだ。

たとえば、あなたがきちんとルール通りにエントリーし、根拠も明確で、リスクも管理していた。それでもたまたま逆行して、損切りになった。

このトレードは「負けた」けど「失敗」ではない。むしろ、思考としては正解である。

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続きは、1004文字あります。
  • 思考のズレを修正する
  • 失敗の定義を変えれば、改善の構造も変わる
  • 正しさの定義
  • 不確実性との向き合い方

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